私たちは通常、中学から大学教養課程まで8年間、英語教育を受けていました。それでもほとんどの日本人は日常会話もままなりません。なぜなら英単語・構文・文法・作文に圧倒的な時間を費やした一方、ネイティブによる会話指導はほとんど受けていないからです。
しかし、きちんと勉強した人は、米国人の平均点以上の英文読解能力を持っていると思います。私もロングマン英英辞典を手に、英字新聞・雑誌に書かれた政治学者やレポーターの論文を読まされましたが、そんなに苦労せずに読んだ覚えがあります。
そもそも、外国に占領されたのは戦後のわずか数年。生きるため、出世のために英会話が必需品でなければ、そんなに上達する訳がありません。
日本の英会話の先生にはフィリピン人が沢山いますが、フィリピンには母国語が2つ(イロカノ語・タガログ語)以上あるうえ、米国の植民地でした。自国民との意思疎通にも英語を必要としたことが容易に想像できます。
大きくなってからの外国語より、日本語生活の定着前に英語を、それも日常的に教えれば確かにバイリンガルも夢ではないでしょう。しかし、これは言語障害を生む危険もはらんでいることを知らなくてはなりません。
大切なのは、母語でどれだけ高度な思考ができるか、ということです。数学も化学も生物学も、日本語と数式・化学式で学ぶことができ表現できるのですから、これらの学問を究める努力を英会話に奪われるのはもったいないように思います。もちろん翻訳にも会話能力はいらないのです。
高校で英文法と構文を習ったとき、数学力が役に立ったと思います。複雑な構文はネイティブをも悩ませると聞いたとき、ああこれは語学というより数学だな、とピンときたのです。
大学で専門書や雑誌を英文で読めるようになるため、中学までにきちんと国語と数学の力を養いましょう。


by 故郷求めて
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